2006年11月11日

鈴木邦男さんの話

初めて右翼の人の話を聞きました。一水会顧問の鈴木邦男さん。10月29日週間金曜日を応援する会・神奈川主催の集会で、週間金曜日編集長北村肇さんとの対談。知人の勧めで、予備知識はほとんどなかったのですが、なんだか面白そうな予感がするので出掛けました。

予感は大当たり。右翼って一方的暴力的で恐い人というイメージだったのですが、鈴木さんは全く違って、大変柔軟で穏やか、けれどもポンポンと歯切れがいい。こんな右翼がいたのかと驚きましたが、鈴木さんは新右翼と呼ばれているそうです。

鈴木さんが右ならば、北村さんは左ということになるらしいのですが、その北村さんが何度も、「鈴木さんのほうがよほど週間金曜日的ですね。」と言ってました。

鈴木さんの言葉で面白かったのは、「私には愛国心なんかありません。愛というのは限りがないということです。それを国境という限界がある言葉と組み合わせて愛国心というのは、もともとおかしい。」

そこで愛国者は信用できるか
愛国者は信用できるか

を読んでみると、冒頭から「私は断言できる。僕は日本一の愛国者だ。」と対談とまるで反対のことが書いてありました。

----------------------------------------
p10 今の日本は、「ともかく愛国心を持て」「愛国心は常識だ」「愛国心さえ持てばいい生徒、いい日本人になれる」と言っている。冗談じゃない。そんな単純なものではない。

p10 愛国心は宝石にもなるし凶器にもなる。一面だけを見るのは危険だ。

p25 「愛」という普遍的な装いをしながら、実は、対立・憎悪を煽るときに一番よく使われる。

p25 愛国心は「愛」と言いながら、他人も他国も愛さない。自己愛と国家愛しかない。自分がいかに国を愛しているかという「自己申告」と「自慢話」の競争になる。また、他の人はいかに国を愛していないか、という批判、糾弾の道具として使われる。凶器として使われる。

p68 愛国は一見平和的だが、暴発すれば国民全体を巻き込む。うむを言わせない。テロやクーデターは憂国から起きるが、局部的なものだし、瞬間的なものだ。愛国は<戦争>に突き進み、全国民を強制する。

p68 「憂国」よりも「愛国」の方が何百倍も凶暴だし、残忍だ。
----------------------------------------

愛国心というのは、愛がついているにしては、嫌な雰囲気のする言葉だと思って警戒していたのですが、そういうわけだったのかと納得しました。

鈴木さんの柔軟さは幅広い知識の裏づけからきているのではないかと思って、鈴木さんがどうやって勉強したのか知りたくて、
本が面白くなる!超読書術―やっぱり、読書人間は人生が楽しい。
鈴木 邦男
4761252995

を読んでみました。

そうしたら、面白くておかしくて、何度も腹をかかえて笑いながら読むことになりました。いかに本を読む時間と場所を確保するかに、試行錯誤七転八倒するさまが事細かに書かれていて、私も実はいろいろやってみたり、やろうとしたりしたことがあったようなことが次々と出てくるので、こんな馬鹿なこと本当にやったんだとたくさん共感して、おかしいのなんのって。

鈴木さんの一番のオススメは中央公論社の全集「世界の名著」を全部読むこと。
この全集を読んで、自分の考え方や人生観が作られたというのです。全66巻、続全15巻のすべてを読むというノルマにチャレンジしたからこそ、毛嫌いしていた本も読んで、食わず嫌いだったことがわかったり、嫌いなままでも何がおかしいのかがわかったりしたというのです。

本を読むという燃えるような意欲には、大変励まされました。高いところからの読書論ではなくて、自分のすぐ隣で語られた読書体験。

私も子供のときから本好きで、いかに本を読む時間と場所を確保するかには、涙ぐましい努力をしましたが、この頃は就寝前に「やっと落ち着ける時間がやってきた、さあこれから読書だ」と本を開いても、すぐ眠くなってしまうのが悩みです。鈴木さんの「超読書術」には大変元気づけられて、読書はこんなに楽しいことなのだから、これからもどんどん本を読もうという意欲が湧いてきました。


公安警察の手口

とても興味深い本でした。
今の公安のやり方だと、「合法活動を潰し」「非合法活動を奨励、誘発する」という結果にしかならない。p200

と書いてありました。

それから

言論統制列島を読んだら鈴木邦男、斎藤貴男、森 達也の対談集で
右が保守で左がそうじゃない人という分け方
ロシアで保守というと旧共産党
共産党は右翼とと言われている p24
と書いてあって、共産党はどこの国でも左だと思い込んでいたので驚きました。

鈴木さんのブログを見たら、なんと河合塾コスモの講師もしているのでした。きっと面白い授業でしょうね。

posted by jun at 07:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 本からA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も街宣車→右翼→怖いで、この印象は変わっていません。
数年前、「歌舞伎役者・片岡仁左衛門」について検索をかけていたら
鈴木さんが何日も映画館に通って見た感想が書かれていて、
意外な感じがしました。
その時にHPを読んで鈴木さんは日々努力する勉強家なんだと思いました。
Posted by mitsu at 2006年11月16日 23:59
私はつい最近初めて鈴木さんを知りました。mitsuさんはもっと前からご存知だったのですね。
鈴木さんは映画もマンガもテレビも好きなのだそうです。じゃあ本を読むのがよほど早いのかと思ったら、速読術というのは嫌いなのだそうです。本を読んで大事なのは、読んだ自分が何を感じ考えるかだからだそうです。
私も河合塾の授業聞いてみたいなあと思いました。
Posted by jun at 2006年11月17日 07:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。