2006年11月23日

楽しかったSHONAN DAN CONCERT

駅で見つけたポスターに応募してSHONAN DAN CONCERTに行ってきました。何しろ無料でオーケストラを聴けるのです。会場は横須賀芸術劇場。コンサートのポスター(pdf)3:00開演でチケットの配布は1:00。早めのつもりで12:20に到着したら、なんと長蛇の列。例年のコンサートでファンがたくさんいたんですね。13回目だそうです。会場が1800名収容で2回の演奏会で、応募は12000名だったそうです。抽選に当たってよかった!

ゲットした場所は前から2列目のやや右より。前すぎてハーモニーを味わうにはイマイチですが、オーケストラを初めて聴く息子には、指揮や楽器がよく見えていいかもしれません。コンサートは15分の休憩を入れて2時間だったのですが、息子は1時間に感じたということなので、コンサート初体験は成功ということでしょう。

SHONAN DAN CONCERTのDANというのは、三浦半島に住んでいた團伊玖磨さん(1924-2001)のことだったのでした。湘南信用金庫の理事長と團伊玖磨さんがコンサートをしようと話していて、横須賀芸術劇場ができるのを待って始めたコンサートだったのです。

理事長の話も結構楽しくて「昨年12月15日に預金高が1兆円を超えたので御礼を言いたい。景気回復なんてウソです。日産、関東自動車、住友重機が三浦半島から撤退しました。湘南信金は地域貢献をしたいと思っています。メガバンクはこんなこと(コンサート)をしますか。」と言ってました。

神奈川フィルの演奏を初めて聴きましたが、予想していたよりもレベルが高くて、なかなかよかったです。元気の良いオケという印象でした。でもなにしろかぶりつきの席ですから、今度は全体を味わえる席で聞いてみないとわからないですけど。

ところでコンサートマスターの石田泰尚さんが、変わってました。まず目につくのは、異様に足を大きく開いて椅子に座るスタイル。茶髪が立って、耳にはキラキラするものが光っています。まるでのだめカンタービレの峰龍太郎みたいです。そして傲慢に見える受け答え。司会の好本惠さんがインタビューすると、石田さんはマイクを持って舞台に出てきたのにマイクを下げたまま、そっぽを向いているのです。やっと振り向いてもらって、

好本「愛の喜びを演奏するときに石田さんの頭の中はどうなっているのですか?」
石田「喜びです」
好本「では愛の悲しみは?」
だいぶ時間をかけてから
石田「悲しみです」
それだけ・・・しかも1800名の満席の聴衆の前で。
聴衆は唖然としてしらけてしまうところを、さすがは熟練の司会者。
「聞かなきゃよかった」「仕事でこれまでいろいろな人にインタビューしましたが、こんなに難しい人は初めてです」と正直な感想を柔らかく述べて、会場は爆笑。

「SHONAN DAN CONCERT」は「團伊玖磨トーク&ミュージック」だったものでしたから、團さん亡き後も演奏者はただ黙って演奏するのではなく、聴衆に語りかける構成です。理事長、指揮者、独唱者と楽しいトークで盛り上げたところで、石田さんも一言となったのは突然のことではないはずです。それを石田さん一人で雰囲気を壊したのを、笑いにしてしまった司会者はさすがと思いました。

石田さんのバイオリンを始めて聞きましたが、聞いたことのない音色でした。繊細でもありセクシーでもあり、そして高貴な感じがしました。素晴らしい。私の好みとは違うのですが、もっと彼の演奏を聞いてみたいと思いました。来年2月も湘南信金で石田さんのコンサートがありますから、又応募します。抽選、当たりますように。石田さんの演奏視聴サイト

エルガー「威風堂々」を演奏するときの石田さんを見て、足を大きく開くわけがわかりました。椅子に座った姿勢で全身を使って演奏するのです。見ているだけで迫力があります。あれだけ動いて安定した姿勢を保つためには、どうしても長い足をガバッと開くことになります。

息子に「石田さんどう思った」と尋ねると、「安心した」というのには驚きました。その場の雰囲気を読まず、傲慢とも思える態度を取る石田さんを反面教師にしたいと思ったのに、息子に安心されてしまっては困ります。息子も石田さんみたいに、人を無視して自分の世界にこもるところがあるのです。「あの人は天才だからあれでも通っているのかもしれないけど、あなたが同じことをやったらものすごく誤解されて、損をするのよ。」でも石田さん本人は天才とは思っていないらしくて、「彼は誰よりも良く練習する」と指揮の現田茂夫さんが言ってました。

コンサートの最後は、会場全員で團伊玖磨作曲「花の街」の大合唱でした。

ところで團伊玖磨さんと言えば

パイプのけむり(27(さよなら))

1964年から週1回のエッセイを書いて2000年まで1842回、エッセイ集は27巻。「パイプのけむりはいつまで続くのか」の問に「アサヒグラフがなくなるか、僕が死ぬかの競争です」とジョークのつもりで答えたそうです。2000年に最愛の奥様が亡くなって、アサヒグラフもなくなって、最後のエッセイ集が出版された2001年に団さんが旅先で突然亡くなるとは、なんともなんとも。

  続 (1967)
  続々 (1968)
  又 (1969)
  又々 (1970)
  まだ (1972)
  まだまだ (1973)
  も一つ (1975)
  なお (1976)
  なおなお (1978)
  重ねて (1980)
  重ね重ね (1981)
  なおかつ (1982)
  またして (1983)
  さて (1984)
  さてさて (1987)
  ひねもす (1988)
  よもすがら (1989)
  明けても (1990)
  暮れても (1991)
  晴れても (1993)
  降っても (1994)
  さわやか (1996)
  じわじわ (1997)
  どっこい (1999)
  しっとり (2000)
  さよなら (2001)

洒脱な文章と題名がユーモラスで楽しくて、よく読んだものでした。またなつかしくなって「さよならパイプのけむり」を読んだら、やっぱり楽しい文章で、チラホラと重厚さが見え隠れして、素敵なジェントルマン。最後は連載していたアサヒグラフが休刊になったので、パイプのけむりの筆を置いたのでした。媒体を代えてでも連載を続けてはと言われたそうですが
「パイプのけむり」は、今は亡き「アサヒグラフ」の美しい紙面上で続けた長夜の夢であって、請われたからといって、新聞紙や週刊誌の粗悪な仙花紙に褥を代えて、文章を書く気にはなれなかった。そうなればそうなったで、文法も、文体も変えねばならない。詰まり「パイプのけむり」では無くなるのである。
「さよならパイプのけむり」あとがきより

ついでに 湘南信用金庫社歌「湘南に呼ぶ風」 作曲は小林亜星
歌詞もメロディもなかなか素敵な曲です。
特に「SHONANの太陽〜♪ SHONANの風〜♪ 」の部分がいいです。

コンサート会場のアチコチで背広のお兄さんやおじさんがきちんと立って「いらっしゃいませ〜」と丁寧に会場案内。これが最初、とても違和感ありました。「せ〜」の部分が尻上りで、クラシックコンサート会場らしくないのです。そうそう、主催者は銀行さんだったけ。皆さん銀行風のあいさつなわけでした。
posted by jun at 21:13| Comment(6) | TrackBack(3) | お出かけA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石田泰尚さんの演奏是非一度みたいです。
試聴した感じだと、初めて聞く音で魅力的。
私はヴァイオリンが好きなので、色々な方のCDを聞きますが、
この方は知りませんでした。

教えてくださってありがとう!
Posted by mitsu at 2006年12月03日 22:57
mitsuさんはヴァイオリン好きなんですね。

私は若い頃のチョン・キョンファの演奏が大好きでした。今はだいぶ違う演奏になったらしいので、聞いてみたいと思ってます。
mitsuさんは誰の演奏が一番好きですか?
Posted by jun at 2006年12月04日 09:11
古澤巌さんが好きでした。

随分前に玉川のアレーナホールで1年を通して数回のライブ企画があって殆ど聞きにいきました。
クラシックからジプシー音楽、ジャズまで幅広く楽しいものでした。
今はあまりCDも聞かなくなりましたし、全てに疎くなりましたが、当時はGクレフやらクライズラーカンパニーも含め、あちらこちらに出かけました。
トリオ・リベルタ(石田泰尚さん)のコンサートが横浜美術館でつい最近あった事を知り、とても残念に思いました。
昔、Gクレフを横浜美術館で聞きましたが、独特の雰囲気があって、いいのです。
まァ、場所が場所だけにとても冷えましたけれど。
Posted by mitsu at 2006年12月06日 00:44
古澤巌さん視聴してみました。
石田さんとは全く違ったタイプの演奏ですね。
ウーム どちらもいい〜♪
Posted by jun at 2006年12月06日 17:04
トリオ・リベルタのコンサート行ってきました。
とても良かったですよ。TBさせていただきます。
Posted by mitsu at 2006年12月24日 01:03
そのうち石田さんのコンサートで
mitsuさんと遭遇なんて、いいですねえ。
Posted by jun at 2006年12月24日 21:47
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