2007年01月01日

時間の感覚

時間の感覚は、脳の中の海馬という部分が振り分けた記憶の回数に比例するそうです。以前、「脳が退屈している」という説を紹介しました。で、これを「年をとるほど、時間が早くなって」と訴えている年配の方に言ってみたところ、誰もが「自分は退屈なんかしていない」と強く否定しました。「知らない場所へ出かけると、脳が活発に動いているから退屈しなくて」ということには誰もが納得するのですが。

それで「自分は退屈なんかしていない」と言うのはどういうことかと思っていました。確かに、私も時のたつのが早かったときに、退屈していたとは感じません。そういうときはむしろ充実していたと感じていることが多いです。心が退屈すると、時間は遅く感じられて、脳が退屈すると時間は早く感じられる。心と脳の感覚はまったく違うのかもしれません。だから、脳が退屈しているのを心で理解することはできないのだろうと思っていました。

そこへビッグイッシュー63月号に、なるほどそうであったか!という記事を見つけました。

今度は退屈という感覚的な言葉は使っていません。脳の中に記憶を振り分ける海馬という場所があって、時間の感覚は海馬が振り分けた回数に比例するというのです。海馬は新規の記憶を振り分けるときに働くらしいのです。

ビッグイシューで紹介していた本は
ポケット解説 やわらかな生命の時間―生命から読み解く時間のサイエンス
井上 愼一
4798014834


時間の感覚は、新規の記憶だったかどうかで、大きく差が出るのですね。だから年をとって時間が早く感じられるのが嫌だったら、どんどん新しい体験をして、海馬を働かせればいいということになります。

ところで、この本には、もう一つ「歳をとると脳の情報処理時間が長い」という説明もあります。静かな場所で3分たったと思ったときにキーを押す実験をすると、小中学生は3分より前にキーを押して、60歳70歳の人は3分20秒もたってからキーを押すそうです。個人差や精神状態でも時間評価は変動するのですが、平均をとると高齢者の時間評価は遅くなっている。

だから、高齢者は自分はまだそんなに時間がたったと思っていないのに、時計を見ると時間がたったと教えられるので、時間が早いと感じる。つまり
時間が速くなるのではなくて、本当は自分の心理的時間の進む速度が遅くなったのだということです。
この説明は高齢者にも受け入れやすいと思います。高齢者は脳の情報処理時間だけでなくて、実際の行動の時間も長くなっています。昔はさっさと片付けられた日常の動作にも時間がかかりますから。遅いのは自分で、時間は無情にもどんどん進んでしまうから、時間が速いのです。

海馬の働きと心理的時間の速度の変化の二つの説明で、なんだかわかったような気がしました。

著者は時間学研究所の井上愼一さん。時間学なんて学問があるんですねえ。で結局は
時間の感覚は、多くの要因の複合によって決まっているので、どれか一つを選び出すことはなかなか難しいことです。


ビッグイシューという雑誌、なかなか気に入っています。駅でホームレスの人からわずか200円で購入して、それがホームレスの自立を助けるというシステムなのですが、私が出合った販売員はどの方もとても気持ちがよかったです。そして雑誌の内容がいいです。これで新しい映画や本の紹介を知って次の世界が開けることがあります。誌面のデザインも読みやすくて、センスがいいです。

私はビッグイシューの販売員を見つけると、前は自分の分だけ1冊買っていたのですが、この頃は2冊買って、知人にビッグイシューのことを説明して1冊あげることにしています。たいていの人はビッグイシューのことを知りません。テレビで紹介していたりしたのですが、まだまだメジャーな雑誌ではないのですね。

ところで「ひめゆりの塔の入試問題」で書きましたが、退屈と言う言葉は、使い方が悪いと誤解をされて大問題になることもあります。

で、遅くなりましたが、新年のスタートです。私が新年早々考えたかったことは時間感覚だったわけで、なんだかんだあっても、この世界は面白いことがいっぱいあるんだなあと、思ってスタートしました。面白いのだから、楽しまなくっちゃ損♪損♪。

本年もブログ「あしあと」、よろしくお願い致します。
posted by jun at 07:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 本からA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は元旦そうそう寝込みました。
夜になってjunさんのところへ来てみると、
>時間の感覚は、脳の中の海馬という部分・・・
という難しいお話。
痛い頭には無理でしたので、続くから先を今日読みにきました。
時間感覚のお話、なるほどねェと思いました。
テキパキ動けると、若返ったような気がしますしね、
考えているだけでは、脳は働らいていないんですよね。

ビッグイシュー。私も以前新宿で買いました。
話題になっていた頃だったので、友達に話してみると以外に知らないんです。
興味を示す人もいなくて、こういう運動も難しいものだなァと思いました。
生活保護もホームレスも他人事とは思えませんけれど。
Posted by mitsu at 2007年01月03日 00:45
その後 風邪 よくなりましたか。新年早々 大変でしたね

mitsuさんもビッグイシューを買ったとは。それも新宿ですって・・・ 私も初めて買った場所は新宿です。
mitsuさんって、私と全然違うタイプみたいだけど、すっごく同じところがたくさんあって、なんだかとっても不思議に思います。

湘南信金の次のタダコンサート、石田さんなんです。曲目は先日mitsuさんが聞いたのとほぼ同じです。当たるといいなあ。
Posted by jun at 2007年01月03日 08:28
>私と全然違うタイプみたいだけど、すっごく同じところがたくさんあって、
なんだかとっても不思議に思います。

どんな人だと思われているのか心配です(笑)

でも私も同じ事を感じていて、junさんがエントリーする事にいちいちコメントしたくなるのですよ。
きっと根っこが同じなのかも知れないと思っています。

前回のコメントの誤字訂正してくださいませ。
以外→意外(恥ずかしい)
Posted by mitsu at 2007年01月05日 12:20
「根っこが同じ」ってどういうのかよくわからないけれど、そんな気がしますね。

コメントの誤字、私もよくやります。
残念ながら後からの訂正はできないようです。
Posted by jun at 2007年01月05日 18:38
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