2007年08月12日

映画「日本の青空」

知人の紹介で中学生の息子と「日本の青空」見たら、息子が「もう一度見たい」というので、別の会場に行ってもう一度見てきました。
憲法制定のいきさつをドラマ化した重厚な内容ですが、さわやかな映画です。全国の市民団体が各地で上映しています。

私の憲法の知識は前に書いた小室直樹の「痛快!憲法学」くらいだったのですが、この映画を見て、大いに触発されてさらに憲法に関する本を興味深く読むことができました。

映画で主張されているポイントは、日本国憲法はアメリカから押し付けられたのではなく、鈴木安蔵の草案がベースだということです。

鈴木安蔵の著書「憲法制定前後」を読むと、映画の場面が生き生きとよみがえって、本当だ!と思いました。2回目に見たときに気が付いたのですが、映画の中で言葉では語られない場面設定や、ちょっとしたしぐさ顔つきの中に、いろいろな意味があったこともわかりました。3回、4回見てもいい映画と思います。

国会図書館の日本国憲法の誕生には、映画の裏づけとなる資料が公開されています。
ラウエル「私的グループによる憲法改正草案(憲法研究会案)に対する所見」 1946年1月11日
解説に「憲法研究会案がGHQ草案作成に大きな影響を与えていたことが確認された。」とあります。

注目したい点は、9条についてです。映画では、憲法9条の条項を憲法研究会が草案に入れなかった理由は、書かないことで戦争放棄を暗に示した。その空白部分に幣原首相がマッカーサに語った言葉から、GHQが戦争放棄の条項を入れたと描かれてました。

ところが古関彰一さんの「新憲法の誕生」  「憲法9条はなぜ制定されたか」  憲法9条と沖縄
を読んで、9条は沖縄の要塞化が前提にあって、昭和天皇を戦犯から除外するためにも必要であったとということを知り、驚きました。


憲法問題を考えるきっかけとして、映画はとても刺激になりました。映画の会場では2箇所とも、年配の観客が多かったのですが、この映画を見てから難しげな憲法に関する書籍を興味深く読めるようになったので、是非若い人にも見ることをおススメします。映画の公式サイトの上映日程の問い合わせ先に電話して、上映時間を聞いて出かけられます。

それから映画のテーマ曲  久嶋 美さちの「愛は空のかなた」がステキです。

「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」
この本には熱くて切実な声がありました。

中村哲「丸腰の強さを現地にいると痛感します」
三輪明宏「正義の戦争なんてありゃせんのですよ」
香山リカ「今の日本も、ひとりの人間にたとえれば正常な心理状態にあるとは言いがたい」
吉永さゆり「命を大切にすることは、憲法9条を大切にすること」
姜尚中「9条はまさに時代のニーズに合っている」

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ところで映画の中で鈴木安蔵が妻に「戦争放棄と男女平等は車の両輪だ」と語る場面があるのですが、これも気になって

「憲法24条+9条 なぜ男女平等がねらわれるのか」を読みました。9条を変えて男子徴兵にするためには、女子が社会に出て男女平等だと都合が悪いということが細かく説明されてました。女子は家で子供を育て親を介護し、男子は戦争をするという構図を、実現させたいという企みが、巧妙な言葉の中身であると書かれていました。

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「よくわかる!新しい介護保険のしくみ(平成18年改正対応)」p94
あたかも憲法25条により、自明の理として社会福祉があるというような考えが、どれだけ戦後の社会保障の歴史を検証する上で障害となったか、あるいは社会保障を考える際の足かせとなったかとなったかは、これからの検証課題です
の記述も気になります。
posted by jun at 06:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画・DVD・CD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
7日の中野ゼロホールは行かれないので、11月の狛江で観られるかしら。
いい映画の上映館は本当に少ないですね。
Posted by mitsu at 2007年09月03日 20:14
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