2005年06月06日

ヘルパー 利用者さんの死の受容

ヘルパーの宿命
ヘルパーの仕事の宿命に別れがあります。利用者さんが亡くなったり、入院されたりという突然の別れは、最初からあるものと覚悟はしています。そんな別れもたまにだったら、心の整理も自分のペースでできるのですが、どういうわけか次々と重なってしまうことがあります。

そうなると、影響を受けてしまいます。お世話してさしあげた方が亡くなって影響を受けて当然でしょう、たまにはいいんじゃないですかと思われるかもしれません。でも、もうお世話してさしあげられないなんて淋しいなあ、もっと生きたいと言っておられたなあ、ご家族は今頃どんな思いでおられるかしらとかついつい何度も考えてしまと、次第に自分の中のパワーダウンを感じてくるのです。これがマズイのです。

利用者さんは、ヘルパーの訪問をたいてい心待ちにしておられるのですが、ヘルパーからもらいたいものは具体的なサービスだけではなくて、生きる勇気、耐える勇気をももらおうとされているのです。ヘルパーが暗くなったら利用者さんは、とても困るのです。大きな影響を与えてしまうこともあります。

なんとか気持ちを整理しなければと思うのですが、なかなか・・・。事業所の主任数名に話してみましたが、いいアドバイスはいただけず、他のヘルパーはどうしておられるのかなあ、自分なりの整理のつけ方を考えなくてはと思っていたところ、吉田夏子さんに会いました。


吉田夏子さんの世界
先日ガイドヘルパーの講習を受けたときに、福祉文化の森の事務室にも顔を出したところ、吉田夏子さんがおられたのです。福祉文化の森でヘルパー2級の講習を受けたときに、ヘルパー道ともいえるような深いところを教えて下さった講師です。私の疑問を相談するのにぴったりの方です。

これはチャンスと、
「先生の講義を受けてヘルパーになってから2年になります。利用者さんがこれまでに4名亡くなりましたが、どんなふうに気持ちの整理をつけていいのかわからずにいます。先生に是非アドバイスをいただきたいのです。」
と疑問をぶつけました。

すると先生、キラリと豊かに表情を動かして(その気持ちわかった)みたいなものを表現されてから、「それは大切なことですね」と、話し始められました。

箇条書きにすると
@泣く場所を作って、思いっきり泣く
 (自分はいつも鶴見川なんだけれども、映画館という人もいる)
A泣いたらその方がもう痛みも苦しみもなく、若く元気なお姿になって
  その方の親やご家族と会って、楽しくしておられるところを想像する
Bその方にありがとうと感謝する
Cその方がこれからの活動を励ましてくれていると思う
D悲しい思いは家へ決してもって帰らないこと

これをしっとりとしかも力強く、私の心に届いたか確かめるようにしながら、語りかけてくださいました。私は先生の真摯な姿勢で、まず、癒されたような気がしました。そして確かなアドバイスです。とてもありがたく思いました。

そして、先生の豊かな表情に感動しました。人生がこめられているような表情の動きに、なんと美しいのだろうと。

辛いこと悲しいことを押し隠してしまうのではなく、しっかり味わって泣いて、そして希望を持ち、現実に立ち返る、このプロセスを大切にすることは、地に足をつけたヘルパーの活動の基本だと思いました。考えてみると、これはヘルパーだけでなく、あらゆる生活の中で起こることだなあとも思いました。

相談した主任の中には、「利用者さんが亡くなることに慣れてしまって、そういう悩みは感じない」と言われた方もいました。仕事で死に慣れてしまうというのは、悲しいことですがあるのかもしれません。でも、私は慣れて痛むことができない人には、なりたくないと思います。

目標としたいのは、吉田夏子さんのヘルパー道の世界です。良い師と出会えて、感謝です。
posted by jun at 06:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 介護・ヘルパー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
吉田夏子さんのお話、良いお話で感じ入りました。junさんの、また表現の巧みさに、というか情景が目に浮かぶような正確さに、つい引き込まれて・・・至福の一刻でした。いつも有難う御座います・・・。
Posted by リベル at 2005年06月07日 00:31
リベルさん、こちらこそいつもありがとうございます。
目標とする師と出会えたというのは、本当にありがたいことだと感謝しています。そして日々出会っている、利用者さんお一人お一人も、かけがえのない人生の師と思って、活動しています。
Posted by jun at 2005年06月07日 20:29
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